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ISSJブログ:インドの言語

今回は、インドの言語について皆さんにお伝えしようと思います。
日本の中で使われている言語は唯一日本語の一種類ですが、インドで話されている言語はいくつあるか、皆さんご存知でしょうか。

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インドの言語
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次のとおり総勢40種類もの言語がインドで話されており、方言まで含めると約2,000種類もの膨大な言語が存在しています。

言語種類         言語例
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公用語(2)        ヒンディー語、英語
憲法第8附則指定言語(22)アッサム語、ベンガル語、ボド語、ほか
その他一般的言語(16)  アワディー語、ビリー語、ほか
※( )内は、言語の数

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インドの言語が多い訳
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ではなぜ1つの国なのにこんなにも言語が多いのか、それは国の発展の歴史に関係します。少々長くなりますが、お付き合い下さい。

 インドはイギリス支配から独立するまで、2つに分離していました。イギリスの直接支配地と、直接には支配されなかった藩王国の2つです。その後1946年イギリスからの独立後、新政府が直面した最大の問題は、インドをどのように一国にまとめあげるかでした。多くの藩王国が再び独立を目指しはじめたからですが、当時の指導者たちは類い稀な外交術を駆使して、数百もの藩王国を再び1つのインドに統合させることに成功します。その戦略の根幹は、「統合するのは政治のみであり、精神や伝統的信仰は変えない」というものでした。
しかし、話はここで終わりません。1つの国家として政治的統合こそ達成しましたが、インドは多宗教、多民族社会です。またカースト制度の存在が、政治的統合と行政改革に大きな影響を及ぼしました。このため多くの議論や紛争が起き、国家統一に向けた動きがたびたび妨げられました。
当時の大方の予想では、インドは文化・宗教・言語・習慣・アイデンティティの多様性のために民主主義国家として1つにまとまることができず、いずれは複数の小国に再分裂するだろうというものでした。
そこで考え出されたのが、言語単位の州の分割です。政治的統一を維持しつつ、精神的・文化的遺産を維持する解決方法として編み出されたのです。
そして1956年に州再組織法が制定され、28州と7直轄地が作られました。
州ごとにその州に住む大多数の人が使用する言語を公用語と制定し、その州のアイデンティティとしました。またこれまで同様に、少数言語や方言も使えることとしました。
このように独立と州の再編から65年が経過し、インドは晴れて連邦国家となったのです。そして宗教観と伝統は変化せず、破壊もされず、現在まで統一国家として存続し続けています。インドの多言語は、このような理由によるものなのです。

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インドの紙幣
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インドの多言語ぶりは、紙幣にもその片鱗があらわれています。それではインドの紙幣、例えば100ルピー紙幣を見てみることにします。まず表面ですが、中央にマハトマ・ガンジーの肖像画がありその下に大きく「100」と書かれています。裏面をみるとインドで有名なカンチェンジュンガ山(世界第3峰:標高8,586m)の雄姿が中央に位置しています。そして左下には大きくヒンディー語で「ワンハンドレッドルピー」の意の記載があり、右下には英語で「One Hundred Rupees」と記載があります。公用語の2つです。そして中央左側にはごく小さな文字ですが、15種類もの言語で「ワンハンドレッドルピー」なる意の記載があります。つまり1枚の紙幣に、17種類もの言語での表記があるのです。
皆さんもインド紙幣を手にする機会があれば、ぜひじっくりご覧下さい。なお小さい文字で書かれている言語はいずれも州が認めている準公用語であり、内訳は次のとおりです。
アッサム語、ベンガル語、グジャラティ語、カンナダ語、カシミール語、コンカニ語、マラヤラム語、マラティ語、ネパリ語、オリヤ語、パンジャブ語、サンスクリット語、タミール語、テルグ語、ウルドゥ語の15種類。

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